ふらっと西表島へ〜後編〜
やって来ました8日目。
ここで友人Tが帰宅、車の運転等まじで助かりました。激感謝。
お昼はたまたま合流した友人Aと砂浜で遊びながらゴミムシなどをちらほら。
そして夕方近くからポイントまで行き、私は弟Mと行動し、友人Kは奥のポイントへと別れる。
沢沿いを歩いていると、そこにはまたまた見てみたかったクモちゃんが。
ヤエヤマナガイボグモ Hersilia yaeyamaensis
すーごい奇抜なフォルム。かわいいですね。
ナガイボグモでモチベを保ちつつ歩き回るが、なかなか成果が上がらない。
疲れが出てきて虚無になりかけながらふと近くのクロツグ(現地ではマーニというらしい)の根元に目を向けると、そこには赤黒く光るでかい塊が。
うわああああああああああ!!!!!!!
大歯!きたぁぁぁぁぁ!!!!!
64mm!
出てから少し時間がたっているのか、変な場所にいたし少しキズもあるが知らん!バカかっこいい!!!
先に大歯をとられ焦り始めた弟Mを横目に感傷に浸っていると、友人Kから連絡があり同じく64mmの大歯取ったから合流しようとなった。
そして携帯の電池がなくなり遭難していたらしい友人K(私が貸したコードが壊れていて充電出来なかったらしいです。ごめん笑)と合流し、3人でもう少し散策。
途中で弟Mの片目のコンタクトがとれるハプニングが発生するも、そのまま続けついに大歯を発見。さらに友人Kももう1匹大歯を追加しこの日はみんなで大歯4匹とり下山しましたとさ。
最高か?
9日目
はとくに良い成果もなくパイン棒たべてタイワンヤツボシハンミョウを追いかけ回したりヤエヤマサソリを探したりしていました。
タイワンヤツボシハンミョウ
大きめのヤエヤマサソリ
10日目。
昼間に近くの林道をぶらぶらしてチョウやらハチやらを見ていた。アシダカグモがベッコウバチ?か何かに連れ去られてたのは笑った。
オオジョロウに捕まるツマグロスズメバチ。捕まえたり捕まったり大変ですね。
登山はまたまた夕方から。チブサトゲグモとかちらほら見てから、ヤエマルの中歯を見つけたりしてそろそろ下るか〜と下山することに。
友人Kと少し登山道をはずれて歩いていると、そこには小学生だったらまるまる1人入るくらいのバカでかいクモの巣が。
うーーーーーわ巣でっか!!!
スズミグモじゃん!!!すげえ!!!!
スズミグモ Cyrtophora moluccensis
なにこの奇抜な白(?)に黒い足。好き。
奄美大島に行ったら見てみたいなーとか勝手に思っていたクモなのでまさか西表で見られるとは思ってもおらず、あまりの巣の大きさと神々しさにめちゃくちゃ感動しながら下山した。
11日目。
明後日に帰る予定で、近くの港で船に乗れるか分からないから寝坊できないし12日目は山に登らないと決まり、この旅最後の登山に。
途中で手袋を落としてしまい、素手で登山。バカでかいヤマンギ(イワサキカレハの幼虫)を見たばかりなので怖かったが、よく考えたら友人Kは登山中ほぼ手袋してなかった。さすがっす。
ぼちぼちヤエマルを見つけたりして、最後にテナガエビでも取るか笑と、川の上の方へ登っていった。
滑りまくりながらテナガエビを探し、ふと川沿いの木を見ると、小さな巣を張る本土のあのクモに似た姿が。
え?え?うーわやっちまったよ!!!キオヒキじゃん!!!!!!
キオヒキグモ Arachnura melanura
なんか本土のキジロより見かけやすいらしいけどまさか見れるとは!!!いーや最高すぎた。これぞ最終日パワー(まだだけど)
絶好調で川を登り少し開けた岩場に着いたので、そこでしばらくエビ探し。近くの低木を見ると小さめのカマスグモが。
カマスグモ Thelcticopis severa
去年は見れなかったが、今年は何回か見ている。手袋は落としたし荷物も別の場所にあるので素手でいく。おらっ
いっっっっっった!!!
腫れた。スパイダーマンにはなれなかった。
ちゃーんと噛まれた。腫れるしバカいたいし。噛まれた勢いで落としてしまったが、絶対許さん。執念で探しだし採集。
手袋無くしたし噛まれたけどキオヒキとか取れたし最終日パワーすげえ!とか思ってた11日目が終わり。
12日目。
実質最終日。と言っても片付けしたり荷物まとめたりするので山には行かないんですけど。
荷物もまとめ終わり暗くなってくる。暇になってしまったのでトカゲやらカエルやらを探しに近くの沢?小川?に降りて西表島最後の散策。
沢沿いにはいい感じの土質(?)と少しコケの生えた崖。よくよく見るとそこにはトタテグモのそれとは違うあの探し求めていた巣が。
ぺろり
イシガキキムラグモ Ryuthela ishigakiensis
きた〜〜〜〜〜!!!
初自己採集!山までいって1匹しか見つからなかったのにこんな近くにけっこういるなんて…
Kに改名せずに取ることができました。これぞ本当の最終日パワー!!!
マギイトリノフンダマシとか見てみたかったクモもいたが、とても満足した採集ができましたとさ。
13日目。
お昼頃にバスで港まで行き、石垣島から飛行機にのる。ソーキそば食べすぎてお金がギリだったがなんとか帰れた。
完璧とは言えないが最高の西表採集ですた。撮影・採集協力してくれた友人Kくん、運転等協力してくれた友人Tくん、産まれてから18年間協力してくれた弟M、ありがとうございました!
ふらっと西表島へ 〜前編〜
10月中旬
とうとうこの時期が来てしまった。去年の無念?をはらすため決戦の地、西表島へ。
団体としては某マルバネクワガタをメインにし、私個人で蜘蛛を探していきたいなと思い出発する。
いつもの友人Kと高校のときの友人T、そして途中から参加する弟M(実は双子)と私の4人で行く。去年は弟M以外の3人で西表島へ行っていたが、時期が遅くヤエマルの数は全員で5匹とかだった。
さて初日。1時間ほど飛行機が遅れ、いろいろあり夕方近くに宿泊するキャンプ場へつく。
キャンプ場の守り神の黒化オオジョロウグモ
いよいよ登山。しばらく登ってとりあえず散策って…
ん?なんだこの巣?
ハラビロスズミグモ Cyrtophora unicoror
さっそく調べ漏れた見たことないクモ。
後々調べるとハラビロスズミグモというらしい。なんて色してるんだ好き。
とか思っていると
ゲホウだ!!!ツツゲホウ!!
ツツゲホウグモ Poltys columnaris (不慣れすぎて光飛び)
はいついに見たかった蜘蛛第1号。最高来てよかった〜
さてさてスタートは順調。とか油断していると、友人Kが本命のヤエヤママルバネクワガタ(以下ヤエマル)を見つけてしまう。
うわ〜いいな〜いい虫だな〜
負けじと探すが、なかなか見つからない。そして友人Tも見つけ出し2人は着々と数を稼いでいく。
まじか〜1人だけ取れないとかやめてよ…とか思ってたんですよ。
あ!!!ヤエマル!!え大歯?中歯?いた!!!
ヤエヤママルバネクワガタ Neolucanus insulicola insulicola
後から見るとどう見ても大歯。サイズは59mmほど。60は行かなかったがそんなの知らんやばいかっこいい。
1人だけ急に大歯をとり2人から白い目で見られながら、その日はもう1匹ヤエマルをとり終了。
2日目。はとくにいい成果がでずに終了。ツツゲホウが普通種?ってくらいたくさんいることに気づく。
3日目。お昼から海で遊び弟Mを待ち、合流してから山を目指す。
潮が引いていて歩けたビーチ
弟Mは初西表島なので友人Kに同行し、それぞれ別れて探すことに。
大きめの良さげな木を見るとそこにはバカでかいサキシマハブが。うわぁ怖〜ってえヤエマルいるじゃん。
ヤエヤママルバネクワガタ ♀
でかいハブの目と鼻のすぐ先にヤエマル♀。恐る恐る手を伸ばし初メスゲット。
そしてその日は弟Mも初ヤエマルをとり、満足して終了。
しかし大歯をとっている安心感が祟り、3日ほどあまり成果のない日が続く。
そして6日目。その日は山道近くの崖?を眺める。せっかく西表島に来たのだ、あのキムラグモちゃんを探さなければ。
そんなこんなで崖を眺めて数分。
おっ巣穴あるじゃん。お邪魔しまーす
ぺろっ
ヤエヤマトタテグモ Latouchia hyla
巣穴の感じでもしかしてと思ったがそっか君もいるのか。
しかしその日の成果はあまり上がらず下山。
そしてそして7日目。ヘビやらカメやら生き物は出てきているが、肝心のキムラグモがいない。
また同じポイントで探すがトタテグモの巣しか見つからない。すると少し下の方にいる友人Kに呼ばれ、行ってみるとそこには明らかにトタテではない巣の形状が。戸をあけるとうすい茶褐色のつま先がこんにちは。
ああああああああああ!!!!!
イシガキキムラグモ Ryuthela ishigakiensis
やられました。
大絶叫。友人K、自称クモ嫌いなはずなのに先に見つけてました。悔しいけどまじ感謝。
…そういえば、イリオモテキムラグモ Ryuthela tanikawaiってシノニムから復活したんだっけ?その辺あやふやで不安だからイシガキキムラグモって書いてしまった。。。
はい結局その日はそれ以降キムラグモに会うことはできず下山。友人Kが言うに、おなじ"K"じゃないと取れないらしいです。改名するか…
てことで8日目以降は後編ってかんじで書こうと思います。だいぶ長くなってしまってすいませんですた。
ツツゲホウがかわいい。
七大珍種を目指して〜第2章 複雑〜
8月下旬
七大珍種に触れ、求めるようになった私はとりあえず馴染みのある東京の某山へいつもの友人Kと向かった。
そこは意外にも珍種の記録が多く、イセキグモやカトウツケオグモなどは結構見られるそうだ。さらにツシマトリノフンダマシを見たという話も聞き、あわよくばと狙って行ったのだ。
その日も夕方近くから山へ入り、ひたすら歩き続けた。いい感じのアカアシクワガタなどはいるものの、目当ての蜘蛛がいない…
いい感じのアカアシクワガタ
とりあえず前に行ったススキ原へ到着。すると…
おっ、トリノフンダマシいるじゃん
友人Kが見つけてくれました。
トリノフンダマシ Cyrtarachne bufo (いい写真がなくてすいません…)
見たことがなかった、トリノフンダマシを見ることはできました。しかし、七大珍種の壁は大きい…なかなか見つかりません。
そのまま数時間いい成果が上がらずこれまた絶滅してるコースか?笑とか言っていると、、、
キジロオヒキグモ Arachnura logio
いたぁぁぁぁぁ!!!
キジロオヒキグモ!!
深夜の山で大発狂してしまいました。まだ幼体だけど、ついに自分で見つけた七大珍種!!!なんだこの奇抜なフォルム!!かっこよ!!最高!!!
〜1週間後〜
また某山で七大珍種を探し友人Kと後輩Nとの採集。
友人K「キジロの成体いたよ笑」
?????????
自称水生昆虫屋で蜘蛛が嫌いだと言う友人K。成体?しかも卵嚢持ち?え?蜘蛛屋???
本当に私は蜘蛛屋を名乗っていいのでしょうか。わかんないです。
そしてその後はオオトリノフンダマシの成体や卵嚢をちらほら見て終わりました。
オオトリノフンダマシの卵嚢
日をまたぎ、一応昼ぐらいまでツシマトリノフンダマシを探しましたがなんもいませんでした。めちゃくちゃ疲れた。
そのまま帰りに食べたラーメンは複雑な味がしましたとさ。
七大珍種を目指して〜序章〜
急なんですが、
蜘蛛の日本七大珍種
という言葉を聞いた事あるでしょうか。
キジロオヒキグモ、カトウツケオグモ、ムツトゲイセキグモ、マメイタイセキグモ、ワクドツキジグモ、ツシマトリノフンダマシ、サカグチトリノフンダマシ。この7種を主に日本七大珍種と呼ぶそうです。
勝手な偏見なんですがキジロとカトウツケオ(カトウツケオは運?)が比較的見つかりやすく、ツシマトリノフンダマシとサカグチトリノフンダマシが難関なイメージなんです。
そんな七大珍種なんですが、彼らとの初めての出会いは予想もしない方向から突然ぶん殴ってきた、そんな出会いでした。
6月上旬
その日はお昼からバイトが入っていて、12時くらいまで寝ている予定でした(早く起きろ)。
すると母親と弟から変な蜘蛛がいた、と起こされたんです。9時ごろでしたね。
そして見せられたのがこの子だったんです。
家のキッチンで発見されたサカグチトリノフンダマシ
ん?え?んん?
…いやサカグチ〜〜〜
サカグチトリノフンダマシ〜〜〜
そんなテンションじゃなかったですね。盛りました。わけわかんなかったです。寝起きで七大珍種最難関(※勝手なイメージ)見せられたらもうわかんないです。
東京23区の家で見れる蜘蛛じゃありません。そういえば1週間ほど前に弟が東京の某奥地の山へ採集に行っていたので、そこから着いて来た説が有力という結論です。
いや弟運つよすぎ
トリフンを探して
7月中旬、蜘蛛を知り始めてからずっと見てみたかったトリノフンダマシを探し、都内の某山へ友人と向かった。
例のウイルスのせいで数ヶ月ぶりの採集だったが、ガンガン先を登り置いていく友人。うんわかってた。
途中で見つけたルリボシカミキリ。ひさしぶりだね。
事前の調べから湿度が高くならないと巣を張らないこと、ススキについている写真が多い(だいぶ偏見)ということからススキが群生しているポイントへ。
出発が遅かったこともあり、日をまたぎ深夜1時。なかなか見つからず、絶滅した?笑とか話していると…
あぁっっ!!いたいたっっ!!!
オオトリノフンダマシ
よっしゃ!!!
初(…?)トリノフンダマシ!!!!しかもオオトリノフンダマシ!!!
そして数分後…
シロオビトリノフンダマシ
なんと友人が見つけてくれました(先越された…)。実は蜘蛛が嫌いな彼ですが、なぜか蜘蛛運はいいんです。
時期が早いせいか成体は見つからず。しかし初のシロオビとオオトリノフンダマシを見れたので良い採集となりましたとさ。めでたしめでたし。(同行・撮影してくれた友人Kくんありがとうございました)